Chalga "Sabir" (2006)


ヨーロッパには、LunasaとかL'ham de Focとか、伝統楽器を使って疾走感あふれるかっこいい演奏を聴かせてくれるバンドがいくつかあるけれども、ハンガリーから現れた新顔がChalgaというバンド。
「チャルガ」という名前は、もともとは音楽のジャンル名で、ジプシー音楽やバルカン半島、トルコの音楽を混ぜ合わせたブルガリアの流行音楽のこと。そしてアルバムタイトルの"Sabir"(サビール)とは、地中海沿岸で交易用に使われた言語の名前で、イタリア語を土台にして、アラビア語ペルシャ語ギリシャ語、フランス語などの単語を混ぜ合わせた混成語(リンガ・フランカ)を意味しています。
こうした名前が示すとおり、東欧の音楽にイタリアから、ギリシャペルシャへと至る地中海沿岸の音楽を混ぜ合わせてポップな香りを振りかけたのが、Chalgaの音楽というわけ。
使われる楽器は、サックスにフルート、フィドル、ベースにギターと多種多様。アフリカやアラブのパーカッションから繰り出される変拍子を多用したリズムがたいへん心地いいです。その上に乗るAnita Hornaiの歌もエキゾチックでいい感じ。まだアルバムは1枚しか出ていないけれど、今後が期待できそうなバンドです。

公式サイトはこちら。ただ、重いのであまりお薦めしません。
http://www.chalga.hu/
アーティスト自身が動画をYouTubeにアップしているので試聴はそちらをどうぞ。