Niyaz "Niyaz" (2005)


Niyaz(ペルシャ語で「切望」といった意味)は、在米イラン人を中心とした3人組のバンドです。ボーカルのアザム・アリはイランのテヘラン生まれ。1979年のイラン革命で家族とともに母国を離れてインドに移り住み、1985年にアメリカに移住、現在はアメリカで音楽活動をしています。
このアルバムは、ひとことでいえばエレクトロ・アラブ音楽ということになるでしょうか。伝統楽器の音色と打ち込みのビートが響く中、アザム・アリの歌声がたゆたうように流れます。中東からインドの音楽というと、わりと暑苦しい演歌風のボーカルだったり、インド映画のボーカルみたいに甲高い声だったりするんですが、彼女の声はあくまでさらっとしていてクール。ポップスやロックが禁じられた革命イランでは絶対にありえない、アメリカに住むイラン人だからこそ作り出せた音楽でしょう。
アザム・アリはソロアルバムも何枚か出してるんですが、そちらはわりとふつうのニューエイジ音楽風で、私としてはあんまり面白いとは思えませんでした。また、映画『300』のサウンドトラックにもボーカリストとして参加しています。
動画はアルバム4曲目の"The Hunt"という曲です。

http://www.myspace.com/niyaz1