Caprice "Tales of the Uninvited (Elvenmusic Part III) " (2005)


カプリースは、モスクワ在住の作曲家・英語教師のAnton BrejestovskiがボーカルのInna Brejestovskayaとともに1996年に結成したネオ・クラシック・バンド。フルート、ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ハープといった室内楽の楽器を伴奏に、イギリスの古典詩やトールキンの小説など文学をモチーフにした歌曲を歌うという、たいへん高踏的なバンドです。バンドというよりむしろアンサンブルといった方がふさわしいかも。路線としては、日本の葛生千夏に似た感じです(といってもぴんとくる人はあまりいないかもしれないけど)。
ウィリアム・ブレイクの詩にメロディをつけて歌ったアルバム"Songs of Innocence and Experience"(無垢と経験の歌)や、バイロンワーズワースシェリーといった英国詩人の作品に美しいメロディをつけた小歌曲集"Sister Simplicity"といったアルバムもあるんですが、彼らの代表作といっていいのが、"Elvenmusic"三部作。この三枚のアルバムは、トールキンの小説や詩をモチーフにして美しきヘヴンリー・ボイスで歌われる文字通り「妖精の音楽」。2部までは英語なんですが、この第3部のほとんどの曲は彼らが創作した架空言語であるLaorisという「妖精語」で歌われてます。
動画は、例外的に英語で歌われている"Faeries Stole Bridget"という曲(の一部)。人間界の側から妖精界を見たイメージの曲だそうです。

http://www.myspace.com/laoris