Clann An Drumma "Tribal Waves" (2004)


数あるケルト音楽バンドの中でも、たぶんもっとも野蛮(笑)なのがこのバンド。スコットランドグラスゴーを拠点として活躍しているクラナン・ドラマです。まず編成からして変わっていて、バグパイプ1人のほかは打楽器(太鼓)ばかり(人数は場合によって変化する)。バンドのモットーは"Keep it tribal"だそうで、文明化される前のスコットランドの部族的な記憶を音楽として再現しているのだとか。彼らは"tribal"という単語がよっぽど気に入っているのか、現在までに6枚出ているアルバムのほとんどのタイトルに"tribal"が入ってます。クラナン・ドラマとはゲール語で「ドラムの子供たち」という意味。
メロディを担当する楽器がバグパイプしかないので、当然曲はすべて単旋律。ドラムも別に凝ったことをしているわけではなく、シンプルなリズムを繰り返すばかり。でもなんだか嫌いになれないのは、地元に密着したバンドの雰囲気がいいからかもしれません。ツアーはほとんどスコットランド内だけで海外ツアーなんて全然していないし、YouTubeを検索しても路上で細々とライブをやってる動画ばかり出てきます。なんかちょっと応援したくなってくるじゃないですか。なお、ウィスキーで有名なアードベッグ蒸留所はこのバンドとタイアップ契約を結んでいるそうです。