Wig A Wag "Wig A Wag" (2006)


フランスのケルト音楽をいくつかまとめて聴いたのですが、その中でももっともケルトらしくないバンドが、フランス中部のトゥールで結成されたWig A Wagというバンド。ブルターニュの音楽様式に、アラブ音楽やジプシー音楽の要素も取り入れ、かなり自由なダンス音楽を創造しています。北欧のガルマルナとか東欧のベシュ・オ・ドロムみたいなフォークロックに分類した方がいいかもしれません。
2006年に発表された4thアルバムはバンド名と同じタイトルで、Morgane Jiというインド洋のレユニオン島出身の女性歌手をボーカルに迎えたことでさらに国籍不明の謎の音楽になっています。こうしたケルトを特権化しないアイデンティティの希薄さは、ケルトアイデンティティの拠り所を求めるアイルランドスコットランドの音楽とは対照的です。
動画はアルバム1曲目の"E ti Lisa"のライブ映像。ケルトらしさを求めずに聴けばノリのいい楽しい音楽ですよ。

http://www.myspace.com/wigawag