Karma "Liesliw" (2002)


ケルト音楽というと、だいたいアイルランドスコットランドが中心。ちょっと珍しいところでカルロス・ヌニェスなどのいるスペインのガリシア地方、アシュレイ・マックアイザックなどのいるカナダのケープ・ブレトン島といったところも知られてますが、実はケルト音楽の盛んな地域がもうひとつあります。フランスのブルターニュ半島です。
ただ、ブルターニュケルト音楽アーティストといえば? と聞かれても今ひとつ思い当たらないのも事実。どういうわけか、ブルターニュのアーティストはこれまで日本にはあまり紹介されてこなかったのです。
それじゃブルターニュケルト音楽ってどんなものなんだろう? と、CDを探して何枚か聴いてみたのですが、どうやらこれはアイルランドスコットランドケルト音楽とはまったくの別物のようです。
あくまで数枚聴いた限りでの印象ですが、ブルターニュケルト音楽の特徴を箇条書きにしてみると、

  • ジャズの要素を取り入れたバンドが多い。
  • ボンバルド(でかいオーボエのような管楽器)、アコーディオンバグパイプ、ハーディガーディ(手回し式のヴァイオリンみたいな弦楽器)といった楽器を使うことが多い。フィドルも使うがアイリッシュほど華々しく活躍しない。
  • "Fest Noz"というダンスパーティの伝統があるためか、ダンス音楽が多い。
  • アイリッシュに多い美声の癒し系女性歌手はあまりいない。

といったところでしょうか。全体的にスター性のあるアーティストが少なく、華やかさに欠ける点は否めません。
その中でなかなか面白く聴けたのが、1996年に結成された"Karma"という(実に検索しにくい名前の)6人組バンドです。アコーディオンフィドルなど伝統楽器にベースギターとドラムスが加わり、ジャズやロックの要素を取り入れたバンドです。これだけ現代的に洗練されたケルト音楽であっても、やっぱり現地ではフォークダンス音楽であるようで、動画をみると、観客(というか参加者というか)は輪になって踊ってます。

http://www.myspace.com/karmabzh