Flёur "Эйфория" (2008)


以前2ndアルバムを紹介したことのある、ウクライナの抒情派バンドFlёurの5thアルバムを入手しました。初期はフルート、ピアノ、チェロなどクラシック系の楽器をメインに使っていたのですが、3rdあたりからベースギターや電子楽器を使い始めてポップス色が強くなり、サウンドこそ初期とはだいぶ異なってきていますが、メランコリックなメロディと消え入るような歌声は健在。仄暗い東欧の幻想的な世界に引き込まれます。前作ほどシンセの打ち込みを多用していないのも、私としては好感が持てます。
ただ、タイトル曲の"Эйфория"(Eyforiya)だけはちょっと期待はずれ。コーラスを入れてドラマチックに盛り上げたりしているのは、新しい試みなのかもしれないけど、この路線はちょっと勘弁してもらいたいものです。ひたすら深みに沈み込むような哀愁こそがFlёurの持ち味。そういう派手な盛り上げはちょっと違うと思うんですが。
動画は、今年6月7日のオデッサでのライブで、曲はアルバムでラストを飾っている"Мы никогда не умрем"。わずか一月前のウクライナでのライブ映像が簡単に見られるとはなんとも素晴らしい時代になったものです(ライブ動画が非常に重かったので差し替えました)。