Pharaoh's Daughter "Haran" (2007)


Pharaoh's Daughterは女性ボーカルのBasya Schechterが率いるユダヤ音楽のバンド。Basyaはメインボーカルとして歌うとともに、アラブの弦楽器ウード、トルコの弦楽器サズの演奏もしています。
ユダヤ音楽なのにバンド名が「ファラオの娘」なのはなぜかというと、これは旧約聖書の逸話から。イスラエルのソロモン王はエジプトのファラオの娘と結婚したのですが、ファラオの娘は千種類の楽器をイスラエルにもたらし、その演奏の仕方を王に教えたという言い伝えがあるのです。
また、アルバムタイトルの"Haran"は、アブラハムが長い信仰の旅へと出発したトルコの都市の名です。
と、このように解説すると辛気くさいバンドのようですが、Pharaoh's Daughterの音楽はセファルディ音楽とはいっても、以前紹介したディヴァーンほどアラブ的でなく、さらにロック寄りの現代的な音楽になっています。
またメンバーもユダヤ人ばかりというわけではなく、ヴァイオリンのMeg Okuraは本名を大倉めぐみという、アメリカで活躍している日本人ヴァイオリニスト。
ちょっと現代化されすぎなんじゃないかという気もしますが、これはこれでユダヤ音楽を現代に甦らせる試みのひとつといっていいと思います。
http://www.myspace.com/pharaohsdaughter

動画はアルバム2曲目の"Ka Ribon"。詞は16世紀のアラム語のテキストで、作曲はボーカルのBasya Schechter。左側でヴァイオリン弾いてるのが大倉めぐみさんですね。