Divahn "Divahn" (2002)


アラブ風のエキゾチックな旋律から、聴いてしばらくはてっきり中東のバンドかと思っていたのだけれど、これは実はアメリカのバンドなのでした。
ディヴァーンは、ニューヨークを中心に活躍するユダヤ音楽ガールズ・バンド。「ディヴァーン」というのは「詩集」とか「歌集」といった意味だそうな。
演奏しているのはセファルディ(スペインに渡ったユダヤ人)とミズラヒ(中東以東のアラビア語圏に住むユダヤ人のこと)の音楽だそうなのだけれど、素人の耳にはアラブ音楽とほとんど区別はつきません。
使われている楽器は、チェロ、ヴァイオリンといった西洋楽器と、ちょっと変わったところでインドの打楽器タブラ。面白いのはメンバーの全員が女性だということ。アラブ系音楽の奏者というと男性が多いので、これは珍しいところ。また、歌詞の言語はヘブライ語、ラディノ語、ペルシャ語アラビア語アラム語トルコ語などが混ざっているとのこと。
これまでユダヤ音楽というジャンルがあることも、アメリカにこういう音楽を演奏するバンドがあることも知らなかったので、これはちょっと驚きました。音楽の世界は広いです。
張りのある妖艶な声で歌っているのはテキサス出身のGaleet Dardashti。ヴァイオリンのLila Sklarはもともとクラシック畑出身でハイフェッツの孫弟子にあたるとか。フィドルではなくヴァイオリンと称しているのもそのへんのプライドの表れでしょうか。
http://www.myspace.com/divahn

動画は前奏がやたらと長くて、1分30秒くらいのところからようやく歌が始まるので、そのへんから聴くのもいいでしょう。