Руслана "Амазонка" (2008)


Руслана(ルスラナ)は1973年生まれ、ウクライナで絶大な人気を誇るポップシンガーであります。アマゾネス風のパフォーマンスが売りで、2004年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストでは"Wild Dance"という、タイトルそのまんまのワイルドなダンスポップで優勝。ウクライナに初の栄冠をもたらしました。4年ぶりのアルバムになる"Амазонка"(Amazonka)でも、タイトルやジャケットからわかるとおりアマゾネス路線は健在で、ワイルドなダンスミュージックを聴かせてくれます。
絶大な人気があるというのに、なんで4年もオリジナルアルバムがでなかったかというと、それはウクライナの政治情勢と関わりがあります。2005年に守旧派大統領候補の選挙違反疑惑で始まった「オレンジ革命」で、ルスラナは改革派のヴィクトル・ユシチェンコを支持。支持集会でヒット曲を歌うなどして、出直し大統領選挙でのユシチェンコの勝利に一役買ったのです。この功績と抜群の知名度を買われて、2006年春の総選挙ではユシチェンコ率いる政党「われらのウクライナ」から立候補し国会議員に。しかしウクライナの政界といえば魑魅魍魎はびこる混沌とした世界。混乱の続く政界に嫌気がさしたのか、2007年夏に期限前議会選挙が決まると早くも議員を引退、ふたたび音楽に専念することになったのでした。
動画はアルバム3曲目"Ми будемо перші"の、ウクライナ軍全面協力によるビデオクリップ。戦ってます。

続いてもうひとつ。こちらはSFタッチのビデオクリップで、"Дика енергія"(Wild Energy)という曲。ロシアのSF作家ディアチェンコ夫妻がルスラナをモデルにして書いた"Wild Energy.Lana"というSFファンタジー小説とのタイアップ曲だそうです。