"The Rough Guide To The Music Of Japan" (2008)


イギリス版「地球の歩き方」みたいな"The Rough Guide"シリーズという旅行ガイドブックがあるんですが、そのガイドブックを出しているRough Guides社が、World Music Network社と提携して、世界各国の民族音楽のアンソロジーCDを出しています。タイトルは同じ"The Rough Guide"シリーズ。
このシリーズ、すでに180枚以上が出ている巨大シリーズで、国単位のアンソロジーあり、ジャンルの代表曲を集めたものあり、さらには伝統音楽アーティストの個人アンソロジーありとその内容は多種多様。私もけっこうお世話になってるシリーズです。
その日本編である"The Rough Guide To The Music Of Japan"はすでに1999年に出ているんですが、内容を一新して今年新たに2ndエディションが登場しました。それが、本日紹介するCDです。
曲をセレクトしたのはポール・フィッシャーというイギリス人で、確かに収録曲は日本人にはなかなか思いつかないような曲ばかり。都はるみ「夕陽坂」。オキ・ダブ・アイヌ・バンド 「イースト・オブ・国後」。蓼胡津留 「腹の立つときゃ」。あがた森魚 「東京節」(「ラーメチャンタラギッチョンチョンでパイノパイノパイ」という謎の歌詞で有名な大正期の流行歌)などなど。演歌からアイヌクラブ音楽、雅楽や聲明、さらには渋さ知らズのジャズまで多種多様です(詳しい曲目とアーティスト紹介はこちらを参照)。
知らない人が聴いたら、こういう曲が日本で普通に聴かれていると思ってしまうんだろうなあ、と思うとちょっと複雑(逆に言えば「ラフ・ガイド・オブ・○○」というCDを聴いても、○○国ではこんな音楽が聴かれているのか、と思ってはいけない、ということですね)。ですが、なるほどイギリス人の視点から見るとこういうのが日本の音楽なのか、と自分の国の音楽ながらなかなか新鮮に感じられます。かなり癖があるセレクションですが、全体としては統一感があって心地よく、聴いていると、こんな国に住みたいなあ、などと思ったりします。
動画は、収録曲の中から笠置シヅ子「東京ブギウギ」。こんな曲も入ってるのです。

さて本日で当ブログを始めてから100日目となりました。つまり100日間で100枚のCDを紹介したことになります。いや、よくもったもんだ。
50日目のときには、100までは続けられそう、と書きましたが、さすがに100日目ともなると、そろそろ手持ちのネタがなくなってきました。
というわけで、今後は当ブログは不定期更新となります。あしからず。
それではしばし、さようなら。