Souad Massi "Mesk Elil" (2005)


今日はまず、あんまり日本では知られていないアーティストをどうやって探しているのかという話をします。私の場合はまずBBC Radio3Award of World Musicをチェックすること。毎年の受賞者と候補者の名前をYouTubeなどに入力して聴いてみれば、だいたい主だったところは把握できます(今日紹介するスアド・マシも2006年に中東&北アフリカ部門を受賞しています)。イギリスのフォークはBBC Radio2の方に別に賞があるのでこちらもチェック。あとは、Frootsという雑誌のサイトとかも役に立ちますね。まあほかにもいろいろあるんですが、それはまたいずれ。

さて、今日紹介するスアド・マシは1972年生まれ、ベルベル人の一部族であるカビール族の出身。アルジェリアの首都アルジェで生まれ育ち、現在はパリで活動しているシンガーソングライターです。アフリカの歌い手では珍しいことに、西欧のフォークシンガーのようなギターの弾き語りスタイルで歌っています。
"Mesk elil"は、彼女の3rdアルバム。収録曲は驚くほどバラエティに富んでいて、フラメンコ風もあれば、けだるい地中海音楽の雰囲気のある曲もあり、アフリカ音楽っぽいビートの効いた音楽もあるし、アラブ音楽そのものという曲もある、という具合。でも、どんな陽気な歌を歌っていても、その歌声はどこか湿り気があって哀調を帯びていて、なんだか不思議に惹きつけられるものを感じるのです。
動画は"Khalouni"という曲。

http://www.myspace.com/massisouad