Susheela Raman "Salt Rain" (2001)


インドです。
インド音楽というと、甲高い声で歌われるボリウッド映画の陽気なダンス音楽か、シタールやヴィーナが息の長いメロディを延々と弾き続ける古典音楽がまず思い浮かぶのだけれども、そのどちらでもない、これまで聴いたことのないような音楽を聴かせてくれるのが、女性シンガーソングライター、スシーラ・ラマンです。
1973年、ロンドンでタミル族の両親の間に生まれた彼女は、4歳でオーストラリアに移住。10代でシドニーのナイトクラブでポップスやロックを歌い始めて音楽活動をスタートさせましたが、1995年からの2年間、自らのルーツを見つめ直すためインドに渡り、南インドの古典音楽を学びます。
1997年にイギリスに戻った彼女は、公私両面のパートナーとなるギタリストのサム・ミルズに出会い、3年をかけてアルバムを制作。2001年に発表したのがこのデビューアルバム"Salt Rain"です。彼女の音楽はインド音楽と西洋のジャズやブルースを融合させたもの。といっても無理に一緒にした感じは全然なく、肩肘張らずにごくごく自然体な感じ。いろいろな土地の音楽が彼女の中で無理なく溶け合っている感じがするのです。けだるい歌い方にタブラの音色が心地よいのですよ、これが。「漂泊者の音楽」として、国は全然違うもののマレフィスマイラ・アンドラーデの音楽とも共通するものがありますね。
動画はアルバム1曲目の"Ganapati"。

http://www.myspace.com/susheelaramannew