Ana Alcaide "Viola de Teclas" (2006)


アナ・アルカイデはスペインの古都トレドを拠点に活動しているニッケルハルパ奏者です。
ニッケルハルパといえば鍵盤つきのヴァイオリンみたいなスウェーデンの伝統楽器。なぜまた遠く離れたスペインで? という疑問が当然思い浮かぶのですが、なんでも彼女はもともと子供の頃にはクラシック・ヴァイオリンを学んでいたそうです。その後音楽を離れ、大学では生物学を専攻。留学先のスウェーデンでたまたまニッケルハルパを知り、自己流で演奏法を学んで演奏家として活動を始めたのだとか。なかなかユニークな経歴の持ち主です。
"Viola de Teclas"は彼女のファーストアルバムで、タイトルはスペイン語ニッケルハルパのこと。スウェーデンの楽器ニッケルハルパで、中世音楽やフラメンコなどのスペイン音楽を弾いたアルバムです。ノンビブラートの古雅な響きが中世音楽にマッチしていてなかなかおもしろいアルバムなんですが、たとえばヴェーセンニッケルハルパ奏者ウーロフ・ヨハンソンの自由闊達な演奏なんかと比べると、ちょっと固くてぎこちないかな、という気もします。あと、鍵盤のカチャカチャという音がちょっと耳障りなんですがこれは楽器の特性上しょうがないんでしょうか。

http://www.myspace.com/violadeteclas