Iva Bittová & Vladimír Václavek "Bílé Inferno (White Inferno)" (1997)


イヴァ・ビトヴァは1958年生まれ。チェコの作曲家にしてヴァイオリニスト、そして前衛ヴォイス・パフォーマーです。もともと演劇畑にいただけあって、七色の声を駆使したその表現力は並大抵ではありません。
このアルバムは、イヴァ・ビトヴァが、弦楽器奏者のウラジミール・ヴァーツラヴェクと組んで作った2枚組の大作にして完成度の高い傑作。アルバムによってジャズっぽかったりクラシックだったりと、がらりとスタイルを変える彼女ですが、この作品は東欧民族音楽の色彩が濃厚。ヴァイオリンを弾きながら歌い叫び囁く彼女のパフォーマンスには、一度聴いたら耳から離れない独特の魅力があります。ロックとトラッドを融合させたフォークロックのバンドとはまた違った手法で、トラッドを現代的に再解釈したアルバムといえるでしょう。
動画は、アルバムの最後に収録されている曲"Huljet"です。土俗と洗練が一体となった、アヴァンギャルドな名曲。