Mari Boine "Gávcci Jahkejuogu / Eight Seasons" (2002)


スカンジナビア半島の北部、スウェーデンノルウェーフィンランド、ロシアの4カ国にまたがった地域には、サーミ語を話すサーミ人という北方少数民族が居住しています。この地方はかつてはラップランド(ニルスが旅した地方ですね)と言われ、サーミ人ラップ人と呼ばれてましたが、「ラップ」は辺境を意味する蔑称であり、今では使われなくなってます。
サーミ人にはシャーマニズムの伝統があり、自然界とコミュニケーションを取るために歌われる「ヨイク」という伝統歌謡があるのですが、このヨイクを現代的な形で甦らせたのが1956年生まれのマリ・ボイネです。
彼女の音楽は、力強いこぶしで歌われる非常に土俗的な旋律とエレクトロニック・サウンドが融合した独特の世界。その歌唱の強烈な個性から、北欧のビョークと言われることもあるとか。ストイックで慣れないとなかなか聴きづらいので、わりと民族音楽上級者向けな感じですね。リミックス版も出ているので初級者はそっちから入るといいかもしれません。
動画は"Boađan Nuppi Bealde (I Come from the Other Side)"という美しくも力強い曲。ゲストとして、サックスのヤン・ガルバレクが参加してます。動画制作者がなんでこの画像を選んだのかは謎。虫嫌いな人はご注意(注意するまでもなく見えてしまってますが)。

http://www.myspace.com/boine