RIKKI "シマウタTRICKLES" (2002)


これまで邦楽系のアルバムを紹介していなかったので、ここらで一枚紹介してみます。
RIKKI奄美大島出身の歌手で、15歳で「第13回日本民謡大賞」グランプリを獲得し、1993年にBMGビクターより本名の中野律紀でポップス系のアルバム『風の声』でデビューしています。彼女の曲でいちばん有名なのはおそらくFINAL FANTASY Xの主題歌「素敵だね」だし、最近はヴォーカリストとしてSound Horizonにも参加していますが、彼女のバックグラウンドはあくまで奄美の民謡です。
ポップスと島唄の両方に通じた彼女は、現代的なスタイルを大胆に取り入れた島唄のアルバムを何枚か発表してまして、これがなかなかの秀作揃いなのです。
2002年に発表されたこのアルバムは、全曲が奄美島唄ですが、一般的な三線ではなくギターやシンセを使った斬新なアレンジで貫かれた異色作。RIKKIの張りのあるオーソドックスな島唄の歌唱と浮遊感あふれるバックが不思議な調和を見せているアルバムです。
さらに、続く2005年の『結ぬ島へ -リッキの奄美島唄-』は、二胡やギターなどのアコースティック楽器を使って、また違ったナチュラルなアプローチの島唄を披露していて、これもまた面白いアルバム。
この路線でもっと活躍してほしいのだけれど、今ひとつメジャーになれなかったのか、その後オリジナルアルバムがないのが残念。そろそろまたアルバムを出してほしいなあ。

YouTubeにあるのは「素敵だね」の動画ばかりで、肝心の島唄の動画がひとつもないので、試聴はこちらで。
http://listen.jp/store/preview.aspx?pid=00028945074825&fn=00028945074825&tm=1211204113796