Atrium Carceri "Seishinbyouin" (2004)


1977年ストックホルム生まれのサイモン・ヒースという人がひとりでやってるユニットなんですが、これがむちゃくちゃ病的で暗い音楽なのです。地底奥深くから響いてくるような音楽というかエフェクトというか。
なんでもダークアンビエントというジャンルで、一部の人々からは絶大な支持を受けているそうなんですが、私としてはあんまりふだんから聴きたいような音楽ではありません。あまり好きではないのですが、それでもここで取り上げる理由は一つ。
これはAtrium Carceriの2ndアルバムなんですが、まずタイトルを見てください。"Seishinbyouin"。日本語です。なぜにここで日本語? という理由は曲を聴いてみればわかります。
http://www.amazon.com/Seishinbyouin/dp/B000QZT6V8/
米国Amazonで試聴できるので、まずは10.Victimと12.The Callを聴いてみてください。
聴いてみましたか?
そう、何を思ったのか、日本アニメからそのまんま声をサンプリングしているわけです。せっかく重苦しい雰囲気を作ってきたのに、いきなりの台無し感がすばらしいです。たぶん10は『攻殻機動隊』ですね。山寺宏一の声が聞こえます。12は『ああっ女神さまっ』かな。ああ、なんかサイモン君とわかりあえるような気がしてきましたよ。
http://www.amazon.com/Kapnobatai/dp/B000QZUVIK/
3rdアルバムの3曲目"Impaled Butterfly"もなかなか。これは何のアニメだかよくわかりませんが。
"Atrium Carceri"というのはラテン語で「刑務所ホール」という意味なんだそうですが、実はこれは文法間違いで本当は"Atrium Carceris"が正しいんだとか。粋がって小難しい名前つけてみたけど間違えちゃいました、というあたりのお茶目さにまた親近感を感じます。サイモン君、一見怖そうだけどわりといい奴なんじゃないのか。
他の曲の試聴はこちら。
http://www.myspace.com/atriumcarceri