Le Trio Joubran "Majâz" (2007)


パレスチナというと、紛争とか難民とかきな臭いイメージばかりが先行してしまうのだけれども、当然ながらそこにも人々の生活があり、そして音楽があるのです。しかもとびきりかっこいい音楽が。
ル・トリオ・ジュブランは、聖書にも出てくるガリラヤのナザレという町出身のウード奏者3人兄弟。ジュブランというのは彼らの名字であります。 長男のSamirは1973年生まれ、次男Wissamは1983年生まれ、三男Adnanは1985年生まれという若手3人組で、しかもかなりのイケメンぞろい。同じ伝統的な弦楽器プレイヤーということで、「パレスチナ吉田兄弟」と呼びたい。
ウードというのは琵琶とかリュートとかに似たアラブの弦楽器なんですが、実際、べんべんと力強くかき鳴らされるウードの響きは、津軽三味線を思わせるところもあります。
アラブの音楽というと、眠くなるようなフレーズが蛇がのたくるように延々と繰り返されるようなイメージで、どうにもとっつきにくいという先入観があるのだけれど、このアルバムに収録された音楽は、どれも若々しくて颯爽とした曲ばかり。アラブ音楽を聴いたことのない人でも違和感なく聴けると思います。アルバムタイトルの"Majâz"は、アラビア語で「メタファー」という意味。
公式サイトはこちら。
http://www.letriojoubran.com/en