A Naifa "3 minutos antes da maré encher" (2006)


ポルトガルにはファドという伝統音楽があるんですが、正直言って、私には今ひとつこのよさがわからないのです。いろんな歌手の歌を集めたアンソロジーを一枚聴いてみただけなんですが、どうもぴんとこないのですね。まあ好みとしかいいようがないのですが。
そんなファド音痴の私でも気に入ったのが、ポルトガルのA Naifaというグループの音楽。ファドをベースにした現代的な音楽を創造しているバンドで、2004年に結成されてこれまで3枚のアルバムを出しています。
その作風はひとことでいえば「ファド・ポップ」。使っているのはギターラ(ファドの伴奏に使われる大型のギター)のほかはベース、ドラムスなどロック系の楽器。ボーカルをつとめているのはマリア・アントニア・メンデスという女性。伝統的なファドほど感傷的になりすぎない歌い方がクールです。
曲調は同じポルトガル出身で世界的に有名なマドレデウスをさらにポップにしたような感じ。ファドは重くるしくてちょっとという人も違和感なく聴けると思います。ファドが好きな方には、こんなのはファドじゃない! と怒られるかもしれないけれど、ファド独特の哀感と現代感覚がマッチしていてこれが実にいいのです。
ちょうどマドレデウスは活動休止したりボーカルが脱退したりしてごたごたしているところなので、そのすきにポスト・マドレデウスとしてのし上がれそうなバンドです。
http://www.myspace.com/anaifa
動画は2ndアルバム"3 minutos antes da maré encher"から、"Monotone"。