Kroke "The Sounds Of The Vanishing World" (1999)

ジャケットが怖いです(笑)。
Krokeはポーランドのクレズマー・バンド。クレズマー音楽というのは、東欧系ユダヤ人(アシュケナージ)の音楽で、ユダヤ民謡とトルコやギリシャの民謡、さらには東欧の民族音楽をも混ぜあわせてできあがった無国籍風な音楽。中近東風でもありヨーロッパ風でもある不思議な旋律の音楽です。ロマ(ジプシー)音楽ともかなり融合が進んでいて、はっきりいってどこが違うのか素人には区別つきません。
Krokeはポーランド南部の旧都クラクフで1992年に結成されたバンド。Krokeという名前は、クラクフイディッシュ語での呼び方です。ヴァイオリン、アコーディオンコントラバスの3人編成が基本で、場合によってゲスト演奏者が参加する構成です。
Krokeが演奏するのは、クレズマー音楽をベースにジャズやロックなどの要素も取り入れた多彩な音楽。最近のアルバムでは、クラシック・ヴァイオリンの異端児ナイジェル・ケネディと共演してみたり、電子楽器を入れてニューエイジ風の曲をやってみたりとかなりフリーダム。正直、最近は実験的な試みが多くなりすぎてちょっとやり過ぎ感も感じられるんですが、この3rdアルバムの頃は現代性と伝統とのバランスがいちばんとれている感じです。

動画はシングルカットもされた"Time"という曲。