Мельница "Зов Крови" (2006)


ロシア音楽というと普通の人はトロイカなどの民謡かあるいはクラシックなどを思い浮かべると思うけれど、実はロシアのポピュラー音楽はユーロビート系の打ち込みダンス音楽が主流。その中で異彩を放っているのが1999年に結成されたメーリニツァ(Melnitsa 意味は「風車(ふうしゃ)」)というアコースティックなフォークロック・バンド。"Зов Крови"(血の呼び声)はその3rdアルバムにあたります。
メーリニツァの音楽は、ロシアの伝統音楽のほかケルト音楽の流れも汲んだ汎ヨーロッパ的トラッド・ロック。いうなればロシアのZABADAKみたいな感じ。妙にくせになる懐かしさを感じさせる音楽です。
ボーカルで作詞作曲もしているХелависа(ヘラヴィーサ)ことNatalia O'Shea(旧姓Nikolayeva。どうやら夫がアイルランド系らしい)は1976年生まれ。ダブリンのトリニティ・カレッジとモスクワ大学言語学を学んだ才媛で、メーリニツァのほか、"Clann Lir"や"Romanesque"といったフォークバンドでもボーカルをつとめているとか。ヘラヴィーサという名前は、『アーサー王の死』に出てくる魔女Hellawesから取ったよう。その歌声は力強くて、ちょっと中島みゆきを思わせるところがあります。
ケルト音楽や北ヨーロッパ系の民族音楽が好きな人に強くお勧め。私も大好きなアーティストのひとつです。
メーリニツァは、これまでに3枚のアルバムとミニアルバムを1枚出してますが、1stは最もフォーク色が強くシンプルな力強さのある一枚。2ndはちょっと試行錯誤してる感じ。今回紹介した3rdはロック色が強まって安定感のある作りです。動画は3rdアルバムの中でもっとも印象的な"Травушка"という曲のライブ。

以前紹介したFlёurと同じく、日本アニメと組み合わせたMADがいくつか作られてまして、やっぱり民族音楽系は洋の東西を問わずアニメファンにウケがいいようですな。しかしまたウテナですか。ロシア人はそんなにウテナが好きですか。
http://jp.youtube.com/watch?v=W-do-_YZlVA
http://jp.youtube.com/watch?v=VplWZCgR7So