Arianna Savall "Bella Terra" (2003)


アリアンナ・サヴァールは、1972年生まれの歌手兼ハープ奏者兼作曲家。2003年に出たこのソロアルバムでは、スペイン語カタルーニャ語の古詩や、オマル・ハイヤームの詩などに、自ら曲をつけてハープの弾き語りで歌っております。
 サヴァール、という名前でぴんとくる方もいるでしょうが、彼女は古楽演奏集団"Hespèrion XXI"を主宰するヴィオール奏者のジョルディ・サヴァールと、歌手のモンセラート・フィゲラスのあいだに生まれた娘。弟のフェラン・サヴァールはテオルボ奏者で歌手という音楽一家の一員なのです。このアルバムも、ジョルディ・サヴァール自身の個人レーベル"ALIA VOX"からの発売。"Hespèrion XXI"のアルバムでもひんぱんに彼女の演奏や歌を聴くことができます。まさに家内制手工業バンド。
アリアンナの歌声はノンビブラートで優しく、自然に耳に入ってくる素朴な歌声。曲も基本的には中世音楽風なのですが、曲によってはアラブ的な旋律が混じってくるところがいかにもスペイン風。"Hespèrion XXI"でも活躍してるパーカッションのペドロ・エステヴァンが、決して出しゃばらないけれど存在感のある演奏で見事に曲を引き締めております。
ソロアルバムはまだこの一枚だけですが、またアルバムを出してほしいなあ。お父さんのバンドの方の仕事で忙しいんでしょうか。
試聴は本人サイトで。
http://www.ariannasavall.com/