Toumani Diabaté "The Mandé Variations" (2008)


1965年生まれのトゥマニ・ジャバテは、アフリカのマリ共和国出身のコラ奏者。コラというのは巨大なひょうたんに21本の弦を張って作られたハープみたいな弦楽器。ジャバテ家は代々にわたるグリオ(世襲制の音楽家にして口承伝承人)の家系で、多数のコラ奏者を輩出してます。父親のSidiki Diabatéや、従姉妹のMaya Jobarteh、甥のMamadou Diabatéもコラ奏者として有名です。
トゥマニ・ジャバテは、フラメンコやジャズなどと共演したりビョークのアルバムに参加したりと、世界中でさまざまな音楽とのコラボレーションをしているんですが、このアルバムでは共演者は一切なし、コラの独奏だけという非常にシンプルな演奏をじっくり聴かせてくれます。
即興を交えて縦横無尽に繰り広げられる演奏は、まるでキース・ジャレット。コラは、ヨーロッパのハープに比べて音程は不安定だし大きな音は出ないんですが、それがまた独特の味を醸し出してます。アフリカといえばパーカッションというイメージがあったのだけど、こんなに素朴で美しい音楽があったなんて、とちょっと新鮮なアルバムでした。
動画は、アーティスト本人がこのアルバムについて語ったドキュメンタリー。

http://www.myspace.com/toumanidiabate