Глюкоза "Москва" (2005)


ロシアのアイドルの中でもいちばんのお気に入りなのがグリュコーザ。"Москва"(モスクワ)は彼女の2ndアルバムなんですが、ポップなジャケットは日本のコミック雑誌の表紙を真似たものだとか(よく見ると「ラーカ」とかカタカナも書いてある)。白い髪にサングラスのアニメ風キャラクターはグリュコーザのイメージキャラクター。デビュー当初はPVもこのキャラクターのCGアニメだけで作られていて、半分ヴァーチャルアイドル的な展開でした。
で、グリュコーザの中の人ことナターシャ・イオノヴァは1986年生まれ。独特の鼻にかかった歌声は、悪く言えばだみ声なんですが、ボコーダ要らずの機械的な声はCGキャラにはぴったり。まったく色気を感じさせない中性的な歌い方は、セクシーアイドル流行りのロシアでは異色です。
そして、バンドの奏でる音楽はといえば、ベンチャーズや日本の昔のグループサウンズそっくりの懐かしサウンド。なんでも、歌詞は他愛もない女の子の気持を歌ってるとかで、ロシアではティーンエイジャー向けの歌手らしいんですが、歌詞のわからない外国人にとってはグループサウンズに中性的魅力の女の子という取り合わせがけっこう新鮮に響きます。
下は"Юра"という曲のPV。見ての通り、実物のグリュコーザはかなりかわいいのですよ。

ちなみにナターシャは2006年に20歳で結婚し、2007年には出産しております。現在は3年ぶりのニューアルバムの準備中だそうなんですが、こちらが最近の"Бабочки"という曲のビデオクリップ。

うーん、母親になって大人っぽく路線変更したのか、以前のおもちゃ箱みたいな楽しさが失せて、ごく普通のバラードになっちゃってるのががっかりです。こういう曲なら歌う歌手はロシアにはほかにもたくさんいるし。私の好きだったグリュコーザはもう戻ってこないのかな。