2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Moon Far Away "Belovodie" (2005)

北国ロシアのさらに極北の都市アルハンゲリスク。大天使(アルハンゲル=アークエンジェル)の名を戴くこの町を拠点に、天使のような美しい音楽を作り出しているバンドがMoon Far Away。ネオフォークとかゴシックフォークなどと分類されていますが、要はフォ…

Toumani Diabaté "The Mandé Variations" (2008)

1965年生まれのトゥマニ・ジャバテは、アフリカのマリ共和国出身のコラ奏者。コラというのは巨大なひょうたんに21本の弦を張って作られたハープみたいな弦楽器。ジャバテ家は代々にわたるグリオ(世襲制の音楽家にして口承伝承人)の家系で、多数のコラ奏者…

Krakatau "Magical Match" (2000)

ガムランやケチャなど独自の伝統音楽が盛んなインドネシア。きっと、普通のアジアンポップ以外にも、こうした伝統音楽を大胆に取り入れた魅力的なグループがあるに違いない、と探してみて見つけたのがこのグループ、クラカタウ。 特にこのアルバムは一聴して…

Veljo Tormis "Litany to Thunder" (1999)

エストニアってどこですか?。 と地図を見せられてもすぐに指させる自信はないんですが、ソ連から独立したバルト三国のひとつで、大相撲の把瑠都の出身国です。海をはさんでフィンランドとは隣同士。 エストニアという国は合唱音楽が盛んな国で、5年に一度首…

Глюкоза "Москва" (2005)

ロシアのアイドルの中でもいちばんのお気に入りなのがグリュコーザ。"Москва"(モスクワ)は彼女の2ndアルバムなんですが、ポップなジャケットは日本のコミック雑誌の表紙を真似たものだとか(よく見ると「ラーカ」とかカタカナも書いてある)。白い髪にサン…

Noe Venable "Down Easy" (2000)

Noe Venableは1976年生まれ、故郷サンフランシスコを拠点に音楽活動を繰り広げてきたフォークシンガーにしてソングライター。現在までに6枚のアルバムをリリースしており、2004年には永年過ごしたサンフランシスコを離れブルックリンに転居したとか。 2000年…

Valravn "Valravn" (2007)

Valravnは、デンマークのフォークロックバンド。これがファーストアルバムです。Valravnとは北欧の民話に出てくる烏の名前で、その烏は人の望みをかなえる代償として子供の胸を引き裂き心臓の血を飲み干してしまうのだとか。myspaceのページの、影響を受けた…

Reflex "Пульс" (2005)

ロシア人はダンスミュージックが大好きらしくて、ロシアのヒット曲というのは、日本で一昔前に流行ったような、打ち込み系のダンスチューンがほとんど。ただ、からりと明るい曲というのはあまりなく、どうにもならない焦燥感や哀愁を感じさせるほの昏い情熱…

Alasdair Fraser & Natalie Haas "In The Moment" (2007)

Alasdair Fraserは1955年生まれで80年代初め頃から活躍しているスコティッシュ・フィドルの名手。スコットランド出身で、今はカリフォルニアに住み、自身のレーベルからケルト音楽のCDを出しています。最近はチェロのNatalie Haasと組んで何枚かのCDを出して…

Pharaoh's Daughter "Haran" (2007)

Pharaoh's Daughterは女性ボーカルのBasya Schechterが率いるユダヤ音楽のバンド。Basyaはメインボーカルとして歌うとともに、アラブの弦楽器ウード、トルコの弦楽器サズの演奏もしています。 ユダヤ音楽なのにバンド名が「ファラオの娘」なのはなぜかという…

maléfices "Deux Demis" (1995)

マレフィスを知っていますか? メンバーは、ボーカルと作詞を担当する北上リュンヌと、作曲、ギター、プログラミングを担当する鴨志田琢の2人。北上リュンヌは幼少期から日本とフランスを行ったり来たりしながら育ち、鴨志田琢もまた東京、カイロ、パリと転…

Kíla "Luna Park" (2003)

数あるケルト音楽のバンドの中でも、異端中の異端、とびきりワイルドで自由すぎる音楽を演奏しているのがキーラ。オ・スノディ3兄弟を中心に1987年にダブリンで結成された7人組バンドです。彼らの音楽は、ケルト音楽をベースの上に、アフリカ音楽やラテン音…

Ёлка "Город Обмана" (2005)

ロシアのポップス歌手の中でも抜群の歌唱力を誇る歌手がヨールカ。ウクライナのウジゴロドという街の出身で、2004年にシングル"Город Обмана"でデビュー。2005年に発表された同題の1stアルバムがこのアルバムです。ヨールカというのは友達からつけられたあだ…

Divahn "Divahn" (2002)

アラブ風のエキゾチックな旋律から、聴いてしばらくはてっきり中東のバンドかと思っていたのだけれど、これは実はアメリカのバンドなのでした。 ディヴァーンは、ニューヨークを中心に活躍するユダヤ音楽ガールズ・バンド。「ディヴァーン」というのは「詩集…

Tablatura "Tablatura V" (1996)

日本の西洋民族音楽系バンドの老舗として知られているのがタブラトゥーラ。1984年にリュート奏者のつのだたかしによって結成されたこのバンド、当初は中世・ルネサンスの舞曲などおとなしめの古楽を演奏していたものの、アルバムの枚数が増えるにつれ、だん…

Инна Желанная & Farlanders "Вымыслы" (2004)

インナ・ジェランナヤは、ロシアのフォークロック界の第一人者です。 1989年にアリアンズというロックバンドのボーカルとして音楽活動を開始し、1994年には自らのバンド、ファーランダーズを結成。90年代後半にはアトランタ・オリンピックと同時に行われたコ…

Irfan "Seraphim" (2007)

Ethereal waveとかdark waveとかいうジャンルに分類されるバンドらしいです。よくわからないんですが。公式サイトにも、Neoclassical / World Music / Sacred Music / Ethereal Music / Heavenly voicesといろいろ書いてあるので、本人たちも分類しかねてい…

Ana Cristina Céspedes "Lo Mejor de..." (2003)

カテゴリの数があまりにも増えすぎて、ヨーロッパとかアジアとか地域ごとにすればよかったかな、とちょっと後悔してきている管理人です。 さて今日紹介するのは、ボリビアのフォルクローレ歌手アナ・クリスティーナ・セスペデスと、彼女が率いるグループ、イ…

Garmarna "Guds spelemän" (1996)

ガルマルナは、スウェーデンのフォークロック・バンド。バンド名のガルマルナとは、北欧神話の地獄の番犬ガルムの複数形であります。 ちなみに私、音楽のジャンルというものがよくわかりません。特にロックとかポップスとかの下位分類がさっぱりわかりません…

Atrium Carceri "Seishinbyouin" (2004)

1977年ストックホルム生まれのサイモン・ヒースという人がひとりでやってるユニットなんですが、これがむちゃくちゃ病的で暗い音楽なのです。地底奥深くから響いてくるような音楽というかエフェクトというか。 なんでもダークアンビエントというジャンルで、…

Sylvie Lewis "Translations" (2007)

素敵なアルバムです。 ロンドンで生まれ、アメリカで音楽を学び、そして現在はローマに住んでいるシンガーソングライター、シルヴィー・ルイスの2ndアルバムです。曲はシンプルなフォークソングが多いんですが、美しくて懐かしいメロディと、素直で伸びのあ…

Israel Kamakawiwo'ole "Facing Future" (1993)

「イズ」の愛称で今なおハワイの人々に愛されている歌手イズラエル・カマカヴィヴォオレが亡くなったのは1997年6月のこと。38歳の若さでした。 体重は340kg。間違いなくジャンルを問わず世界でいちばん巨大な歌手でしょう。その体型から相撲取りに親近感を持…

Le Trio Joubran "Majâz" (2007)

パレスチナというと、紛争とか難民とかきな臭いイメージばかりが先行してしまうのだけれども、当然ながらそこにも人々の生活があり、そして音楽があるのです。しかもとびきりかっこいい音楽が。 ル・トリオ・ジュブランは、聖書にも出てくるガリラヤのナザレ…

Sabir "Fones" (2004)

スペインのスーパー民族音楽バンドL'ham de Focの中心人物にしてマルチ弦楽器プレイヤーのエフレン・ロペスと、パーカッショニストのディエゴ・ロペスが、ギリシャのギタリスト、スピロス・カニアリスと組んだ3人組バンドが"Sabir"。弦楽器とパーカッション…

A Naifa "3 minutos antes da maré encher" (2006)

ポルトガルにはファドという伝統音楽があるんですが、正直言って、私には今ひとつこのよさがわからないのです。いろんな歌手の歌を集めたアンソロジーを一枚聴いてみただけなんですが、どうもぴんとこないのですね。まあ好みとしかいいようがないのですが。 …

Mayra Andrade "Navega" (2007)

カーボベルデといわれても、日本との関わりは薄いし、観光で行くようなところでもないし、正直言ってどこにあるのかもはっきりとは知らなかったような国なんですが、これが音楽的にはなかなか興味深いところらしいのです。 カーボベルデは、大西洋の北、アフ…

Dolapdere Big Gang "Just Feel" (2007)

ジャケ買いです(笑)。 トルコのCDで、このジャケット。日本のアニソンのカバーか、百歩譲ってもエキゾチックな女性ボーカルのアルバムだと思うじゃないですか普通。しかしこれがトルコ楽器による洋楽カバー集。しかもボーカルは暑苦しいおっさんの声。もうわ…

Flook "Haven" (2005)

ケルト音楽といえばフィドルが主役になることが多いのだけれど(フィドル4本をメインに据えた"Fiddlers' Bid"なんてグループもいるほど)、あえてフィドルをメンバーに加えず独自の道を行くのがこのバンド、フルックです。 笛2本(フルートとティン・ホイッ…

Kroke "The Sounds Of The Vanishing World" (1999)

ジャケットが怖いです(笑)。 Krokeはポーランドのクレズマー・バンド。クレズマー音楽というのは、東欧系ユダヤ人(アシュケナージ)の音楽で、ユダヤ民謡とトルコやギリシャの民謡、さらには東欧の民族音楽をも混ぜあわせてできあがった無国籍風な音楽。中…

Daemonia Nymphe "ΔΑΙΜΟΝΙΑ ΝΥΜΦΗ" (2002)

ギリシャの暗黒フォーク集団(笑)Daemonia Nympheの1stアルバム。妖しいです。妖しすぎます。 古代ギリシャの音楽というと、スペインのグレゴリオ・パニアグワ率いるAtrium Musicae de Madridが再現半分創作半分で作った「古代ギリシャの音楽」というレコード…